写真・映像用品年鑑2017
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254A01答問カメラのデジタル化に伴い、カメラ本体や処理ソフトによって画像データに対して様々な処理が加えられるようになりました。その代表的なものが撮影時の光の特性に合わせて白いものを白く写せるホワイトバランス(WB)で、フィルム時代にはライトバランシング(LB)フィルターやCC(カラーコンペセイティング)フィルターで調整していたものが、オートWBやマニュアルWBの操作で簡単に行えます。このほかにも画像の彩度や明度、コントラストを撮影時や撮影後に任意に変更できるなど、以前はかなりの知識と技術を要した作業が手軽に行えるようになっています。そのため、そもそもデジタルカメラにフィルターは必要なの? と思われる方もいるかもしれません。たとえば風景などを写すときには、まず以下の3種類のフィルターを使ってみるとよいでしょう。フィルターは種類が多くて選びにくいのですが、まずどんな種類を揃えると写真に変化がつけられますか。デジタル時代にも有効な3種類のフィルターデジタルカメラでも必要なフィルターの代表例が偏光(ポラライズドライト/PL)フィルターと、減光(ニュートラルデンシティー/ND)フィルター、そしてNDの応用であるハーフNDフィルターです。偏光は被写体の表面反射を抑えて色のコントラストを強調し、NDは透過光量を抑えてレンズに入射する光の量を調整してくれます。ハーフNDは半分が素通しになったものです。いずれのフィルターも大口径から小口径まであり、レンズ前面のフィルターネジに装着します。フィルター活用に便利なアクセサリー手持ちのレンズ口径に適合するフィ公園の池で泳いでいる鯉にレンズを向けて写したら「水面の表面反射で鯉の姿がハッキリ写らなかった」というような経験をしたことがあると思いますが、これが偏光による影響です。偏光は水面だけでなく、街中のショーウィンドーのガラスや木の葉の表面にも生じ、ウィンドーの中に展示されたものを見にくくし、葉の色の再現を妨げます。私達がものを見る上で必要不可欠な光は電磁波の一種ですが、進行方向に直角に、かつあらゆる角度に振動しながら直進します。それが凪いだ水面やガラス、葉の表面などで反射すると一方向に振動する偏光に変わります。偏光フィルターの構造では偏光フィルターはどのような構造で、どうして偏光を抑えられるのでしょう。偏光フィルターを見ると他のガラスフィルターより厚く、前枠が回転できるようになっていることに気付きます。厚さの理由は、2枚のガラスの間に偏光膜が挟まれているためで、偏光膜には目では見えない平行で細かいスリットがあります。前枠を回転させることで偏光膜のスリットは360度回転し、スリットと平行に振動する光は通過しますが、直角方向に振動する光はスリットのところで止められてしまいます。この性質を利用し、偏光が生じている水面やショーウィンドー、木の葉などに偏光フィルターを付けたレンズを向け、フィルターの前枠を回して偏光膜の角度を調節することで表面反射を抑え、水中の鯉やウィンドー内のディスプレイ、葉の色などを明瞭に見ることができるわけです。よく偏光フィルターを使うと色彩が鮮やかになるといいますが、それは表面反射を取り除いたからなのです。PLとC-PL(サーキュラーPL)被写体の表面反射を抑える上で有効な偏光フィルターですが、購入に際して注意してほしいことがあります。それは偏光フィルターにはPL(直線偏光)とC-PL(円偏光)の2種類があり、デジタル一眼レフやミラーレス一眼に適合するのはC-PLだということです。その理由は、デジタル一眼レフのAF機構の部品や、撮像素子の前に設けられたローパスフィルターが偏光性を持っていて、PLを使用するとカメラの機能に影響を及ぼすことがあるからです。これに対しC-PLは偏光膜の後に1/4位相差板という部品を加え、表面反射を除去した光を通常の光に近い性質に戻すので、カメラの機能に影響を与えることがありません。ルターをすべて用意するのが理想ですが、経済的負担や携行機材の軽量化には逆行します。そこで活用したいのがステップアップリングで、これを使うと大口径用のフィルターを小口径のレンズに装着でき、口径の違う交換レンズに一つのフィルターが使えます。被写体の表面反射を抑える偏光フィルター偏光フィルターは、フィルター面が回転するように枠が二重になっています。

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