写真・映像用品年鑑2017
257/296

255特集素朴な質問から活用法まで 用品の知識と答問使用上の注意点被写体の表面反射を抑える上で有効な偏光フィルターですが、どんな状況でも有効というわけではありません。効果が大きいのは、反射光が生じている平面に対して30~40度の角度からレンズを向けたときで、反射面に直角にレンズを向けても効果はなく、磨かれた金属面や鏡も同様です。空を写すときは、レンズの角度によって偏光を除去する効果が変わります。もっとも効果的なのは太陽とレンズの角度が90度のときで、その前後では徐々に効果が弱くなります。このため、超広角レンズで空を左右に広く写し込むと、偏光除去効果に差が出て空の濃度にムラが生まれます。このいわゆる「片効き」は理解しておきましょう。また太陽に向かい合う逆光や、太陽を背にしたときはほとんど効果がありません。次に注意してほしいのは偏光フィルターが中性灰色の濃度を持っていることで、その影響で透過光量が減少します。暗い場所での撮影では取り外すか、三脚を使いましょう。また普通のフィルターに比べて枠が厚くなっているので、広角系ズームや超広角レンズにはワイドレンズ対応のものを使用しましょう。最後にもう一点。ファインダーを見ながら偏光フィルターを回して効果を確認していると、つい一番偏光除去効果が高いところで写してしまいがちです。そこで1コマ写しておくのはよいのですが、作画意図にもっとも合った偏光効果を見極めたいものです。池の中の緋鯉にレンズを向けましたが、偏光フィルターを使わなかったため表面反射の影響で鯉の姿がハッキリ写りませんでした。レンズに偏光フィルターを取り付け、不自然にならない程度に表面反射を抑えて写したものです。鯉の姿や水底のコインの様子がハッキリ描写できました。雨上がりの林の中で大木にレンズを向け、偏光フィルターなしで写しました。周囲の木の葉や、地表の落ち葉の表面反射が煩わしく、主役の印象が弱まってしまいました。偏光フィルターを使い、被写体に生じた表面反射を抑えたものです。木の葉の緑や幹のトーンが鮮やかに描写され、主役の木の印象が強くなっています。晴れた日にヒマワリを撮影。撮影時の印象よりも空の色が淡く、葉の色はくすんでいます。偏光フィルターの効果をいっぱいに使用すると、青空の色が濃くなりすぎ、葉の色は鮮やかになりましたが、やや平板に見えます。状況・狙いに応じた効果の調節が必要です。

元のページ  ../index.html#257

このブックを見る