写真・映像用品年鑑2017
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256文字どおり、フィルター面のちょうど半分がND(ニュートラルデンシティー)、もう半分が素通しになっているフィルターです。画面内の明るい部分と暗い部分の差が極端なときは、階調豊かに表現できるダイナミックレンジ内に収まりません。その結果、明るいハイライト部の調子(階調・トーン)がとぶか、暗いシャドー部の調子がつぶれた描写になりがちです。場合によっては、ハイライト部・シャドー部ともに中途半端な描写になることもあります。そんなとき、明るい部分の露出を抑えて明暗差を少なくし画面全体の調子を整えるのがハーフNDフィルターです。たとえば風景だとすると、暗い地上に露出を合わせて、空の部分にND部分がかぶるようにすれば、白っぽく写る空のトーンがかなり描写できます。また、青空のトーンを描写するために偏光(PL)フィルターがよく使われますが、太陽の位置や天候によっては微弱な効果しか得られません。そんなときもハーフNDフィルターは有効で、曇り空でもそれなりのトーンで描写できます。多機能なデジタルカメラには、HDR(ハイダイナミックレンジ)といって、明暗差のきつい画面のトーンを疑似的にダイナミックレンジ内に収めるモードがあり、状況によっては素晴らしい効果があります。それに比べると、ハーフNDフィルターは不便で手間がかかりますが、そのぶんアナログらしいグラデーションが味わえます。ハーフNDフィルターの種類と特長細かな違いは別として、製品を三つに分けると、❶ND部分の濃度(光の透過率)が違うもの❷ND部分と素通し部分の境界がハッキリしている(ハード)と、グラデーションになっている(ソフト)もの❸フィルターの形が丸型と角型 があります。❶の濃度は、ND2(1絞り分)、ND4(2絞り分)、ND8(3絞り分)の3種類が一般的ですが、サイズによって品揃えは変わってきます。ND2は効果が弱いので、微妙なトーンの調節や、使ったことが分からないよう(自然な感じ)に写すときに利用できます。汎用的というか使いやすいのがND4で、写すものが特に決まっていなければ最初の1枚にオススメです。ND8は、朝夕の空を写し込んだ風景など、HDRを使わないノーマルな写し方では極端な明暗差が出てしまう状況で有効です。ただし、通常の風景では効果が強すぎる場合もあります。❷の境界部分の違いは、用途によって使い分けるためです。レンズの種類風景撮影で重宝するハーフNDフィルターハーフNDフィルターをホルダーに半分差し込んだところ偏光フィルターを使い、睡蓮の葉と花が浮かぶ池の風景を逆光状態で写したものです。水面を見下ろしているので、偏光除去効果はよく出ていますが、逆光のため青空感はイマイチですし、空は露出オーバーでした。ソフトタイプのハーフNDフィルターを更に装着し、画面上部から向こう岸までND部分をかぶせました。偏光フィルターの効果とは違いますが、空の露出が抑えられて雲のトーンがよく出ています。

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