写真・映像用品年鑑2017
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257特集素朴な質問から活用法まで 用品の知識と答問でいえば、望遠レンズにはハードタイプ、広角レンズにはソフトタイプという使い分けもできます。ハーフNDフィルターもレンズの直前に装着するので、ハードタイプのハッキリとした境界も多少ぼけて写りますが、そのぼけ具合は焦点距離・絞り値によって変わります。もちろん、焦点距離が短くなるほど、また絞り込むほど被写界深度が深くなりハッキリとしてくるわけです。画面構成でいえば、ハードタイプは被写体の明暗差の境界が直線のときには便利です。たとえば、明け方の空と海と水平線などがもっとも効果が生かせる条件です。最初はソフトタイプのほうが使いやすいでしょう。ND部分をどの程度被写体にかぶせるか調節が微妙なときもありますが、境界が直線として写らないだけでも使用範囲が広がります。撮影後に液晶モニターで確かめるか、ライブビューで効果を見ながら写せば失敗は減るはずです。❸の丸型は、一般的なフィルターのように丸い金属枠に入ったタイプ。ND部分と素通し部分の境界が真ん中、画面の半分に決まっているのが特長です。偏光フィルターのように回転するので傾きは調節できますが、境界が中央固定なので構図が制限されます。入門用で簡単ですが、不便もあります。角型はレンズ先端にねじ込めないので、装着には専用のホルダーを使います。フィルター、ホルダーともにレンズの口径に合わせて数種類の大きさがあるので、画面の四隅がけられないように大きめのサイズを選びます。またホルダーを装着するために、レンズ前面のネジ径に合わせたアダプターリングを使用します。ホルダーの溝にフィルターを差し込んで使いますが、フィルターは自由に上下・回転できるので境界の位置を選べるのが便利です。角型フィルターの材質には、光学(写真)用のガラスと樹脂の2種類があります。ガラス製は種類も少なく中・大型サイズでハードタイプのみですが、精度は高くなっています。とはいっても、樹脂製が圧倒的に種類も多く手軽に使えます。ハーフNDフィルター使用上の注意点ハーフNDフィルターを使うときは、まず露出に注意しましょう。デジタルカメラの測光方式は、簡単にいえば多分割測光です。メーカーによって、機種によって違いもあるのですが、画面内の多点測距部、AF情報、色彩情報などを基本に露出値を決めています。そのために、画面構成やND部分の面積によって露出に不規則な影響が現れます。まったく同じフレーミングでも、ノーマル撮影とハーフNDフィルターを使った撮影では、露出が変わります。画面全体としては、ND部分で暗くなるので、絞り優先AEで写していればシャッター速度が少し遅くなります。また、素通し部分がより明るく写ることもあります。デジタルカメラでは撮影中や撮影後に画面の感じを確認できるので、違和感があれば露出補正をすればよいのですが、煩わしいときはマニュアル露出にするとよいでしょう。ハーフNDフィルターを装着しない状態で素通し部分の露出をAEで決めておき、その露出値でマニュアルにすれば、フィルター装着後の露出変化の影響は受けずに済みます。次の注意点は、NDの境界の位置です。特にソフトタイプでは、グラデーション部分を画面のどこに持ってくるか(かぶせるか)です。ファインダーや液晶モニターを見ながらフィルターを上下に移動させて画面が暗くなるのを見ながら位置を決めるのですが、ハッキリとは判別できないので、ついかぶせすぎてしまうのです。慣れるまではグラデーション部分の位置を段階的に変えながら写しておいたほうがよいでしょう。それと注意点ではありませんが、いつも明るすぎる部分の露出を抑えるのではなく、応用として暗い部分をより暗くすることもできます。つまり、明暗差を抑えるだけではなく強調することもできるので、より写し方の幅が広がるでしょう。日没後の残光で桟橋と釣り人をシルエットでとらえました。ただ、肝心の一番手前の桟橋がやや明るく、影絵効果を損なっています。ハーフNDフィルターを、いつもとは上下逆にして暗い部分に装着。画面の下にND部分をかぶせて、やや明るい桟橋を暗くしました。遠近感はなくなりましたが、そのぶん影絵感が高まっています。

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