写真・映像用品年鑑2017
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264A答問カメラ内蔵の露出計は、とてもよくできています。カメラの露出モードを多分割測光や中央部重点測光などに設定してあった場合、たとえば撮影者が太陽を背にしていて撮影対象(被写体)方向に直射光が当たる順光状態、あるいは曇り日などの条件では、露出を気にせずシャッターボタンを押しさえすれば簡単にきれいな写真が撮れます。そんな写真は、ほぼ誰が見ても、自分の目で直接対象を見たときと同じように色彩や明暗が再現されます。つまり、標準露出が得られます。ところが、晴れた空に白い雲が流れるような情景で、空の部分を画面に半分以上写し込んだり、逆光や半逆光状態の場合は少し事情が変わってきます。地上や被写体のカメラに向いた部分は陰になり、カメラに向かってくる光の明暗差がとても大きくなります。こんなときでも、カメラ内蔵の露出計は画面全体の平均的な露出値を示すのですが、それでは目で見て感じたイメージどおりの写真にはならないこともあります。カメラ内蔵露出計と感覚に差が出るのです。カメラ内蔵露出計は年々改良されていますが、完璧ではありません。現状では撮影者が露出を修正する、または自分で決めたほうがよい場合もあり、そんなときに目安になるのが単体露出計です。カメラで露出が測れるのに、単体の露出計があるのはなぜですか。05カメラ内蔵と単体露出計の違いは単体露出計は、カメラに露出計が内蔵されていない時代には数多くの製品がありました。現在は、ごく一部分の狭い範囲を測るスポット測光専用型は発売されておらず、少数の多機能型とシンプルな単能型が現行製品となっています。多機能型の「多機能」とは、入射光・反射光切り替え、ISO高感度測定対応、積算測定、オプションのビューファインダーを取り付けてのスポット測光(あるいはワンタッチでスポット測定に切り替え)などのことです。また、似たような機能の製品にフラッシュメーターがあり、多機能型は定常光・フラッシュ光兼用タイプとなっています。多くのAE一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラは、専用のフラッシュシステムと連動して、定常光だけではなくフラッシュ光でも自動露出が可能ですが、あくまでも専用です。多機能な単体露出計は、専用品ほどのイージーさはありませんが、すべてのカメラで使えます。多分割測光に任せずに、自分で露出を計算したい人に単体露出計は、眼前に見る対象のコピーのような撮影ではなく、自分のイメージに合った作品にするためとか、プロ写真家の場合は、露出の上限・下限まで追い込んだ、ギリギリのシビアな作品のために細やかな明暗測定が必要なときに使用します。カメラ内蔵露出計の多分割測光では、◎風景撮影で明るい空部分を多く画面構成する◎半逆光で暗くなった森林部分が多くなる◎逆光の花や人物を撮影するときなどは、露出補正によって露出値をどれくらい増減するか、自分自身のイメージによって適正な露出は異なります。そのようなとき、スポット測定もできる反射光式・入射光式兼用の単体露出計があれば、作品を作るために自分の思いどおりに光を制御、コントロールできます。カメラ内蔵露出計とは測り方が違う入射光式入射光式は、人物や商品撮影に主に風景写真のプロが、基準露出の測定用に長年愛用し使い込まれた露出計(入射光式・反射光式兼用のアナログタイプ)。主に入射光式のアナログ露出計。受光素子(センサー)にセレン光電池を使い、電池不要。入射光式・反射光式兼用のデジタル多機能露出計。

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