写真・映像用品年鑑2017
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266A答問写真は「光と影の芸術」と言われることもありますが、被写体の持つ魅力を引き出す上で、光が作り出す陰影がいかに重要な意味を持つかがこの短い言葉に凝縮されています。品物の撮影には何らかの「照明」が必要です。フィルムに比べデジタルは結果を素早く見ることができ、照明器具も蛍光灯やLED、小型フラッシュなど様々な製品が利用できます。どんな照明器具の光で写せば魅力が生かされるかは被写体によりますが、照明方法を知る上で欠かせないのが光の性質や方向性です。ウェブサイトやSNS用に室内できれいに撮影したいのですが、照明は必要でしょうか。06光の性質私達が住む地球を照らす光源は太陽ですが、その他にも身の回りには様々な人工光源があります。それらの光は、❶直射光(光源から出た光が被写体を直接照らします。光が当たった部分は明るく、日陰の部分は暗くなり強い陰影を持ちます)❷拡散光(光源が太陽の場合は雲を透過した光や、地上の様々な物体に反射した光で被写体を照らすもので、間接光とも呼ばれます。やわらかい光が被写体を包み込むように照らし、光源側と日陰の明暗差が少なくなります)と2種類に大別でき、照らされたものの印象はかなり異なります。直射光と拡散光の違いを知るには、小型外付けフラッシュをカメラのアクセサリーシューに付けて被写体を直に照らしたものと、発光部を白い天井や壁に反射させるバウンスライティングをしてみるとよく分かりますが、集光性の高い懐中電灯などを使っても違いを見ることができます。光の方向性(角度)次は光の方向性です。❸順光線(記念写真や証明写真などでよく使われます。カメラのほぼ真後ろに光源があり、被写体を45度くらいの上方から照らします。被写体全体に光が回りますが、影が被写体の後ろに出るので立体感に乏しく、平板な印象の画面になります)❹斜光線(順光線の位置から光源を左右にずらし、斜め上方から被写体を照らします。被写体に適度な陰影を作り、光が当たった部分では質感や形状を、影の部分で立体感を演出できます)❺半逆光線(光源を被写体の左右斜め後ろに置いたもので、カメラ側の被写体の多くは陰になります。また光が当たる部分が小さくなり、明暗のコントラストが高まります)❻逆光線(被写体の真後ろや、真後ろ45度くらい上方に光源が位置します。被写体のカメラ側はほとんど陰になって大幅に暗くなりますが、わずかに見える光が当たった部分で、被写体の輪郭を強調することができます)以上、❶と❷が光の性質、❸~❻が光の方向性ですが、戸外の大きな風景から室内の小物撮影まで、これらを上手に組み合わせて活用することが撮影の基本です。光を演出する照明器具写真の照明器具と聞いてすぐ思い浮かぶのは、カメラ内蔵あるいはアクセサリーシューに取り付けるフラッシュ(ストロボ)かもしれませんね。フラッシュは人工の太陽といわれるほど演色性(色彩の再現性)が高く、フィルム時代から様々な撮影現場で活用されてきました。高感度に強いデジタルカメラの登場で、発光量の小さいフラッシュの活躍の場が広がり、直進性の強い光を効率よく拡散する各種リフレクター類も写真用品メーカーから豊富に発売されています。ただ照明の状況はモデリングランプやフラッシュメーターで確認する必要があり、使いこなすにはある程度の経験が必要です。これに対し、写真照明の未経験者でも照明効果を見分けやすいのが蛍光灯やLEDです。写真用蛍光灯には直管型、電球型などがあり、インバーター内蔵で白熱電球用のソケットを用いて点灯させられるものもあり、光を効果的に拡散させるリフレクターも用意されています。またLEDライトは、小さなLEDを平面に並べた面光源が主体ですが、高い演色性とフリッカーフリーを実現したタイプも登場しています。いずれも定常光(瞬間光ではない連続した光)なので、被写体の照明状況を肉眼で観察することができ、未経験者でも被写体の細部の照明状況を見ながら調整することができます。ただ定常光のライトの傾向として、経時変化の影響がフラッシュのキセノンチューブより早く出ますが、オートホワイトバランスの補正範囲に収まります。LEDライトセットと背景紙

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