写真・映像用品年鑑2017
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279フィルターの選択基準に3つの要素があります。❶フィルターガラス❷コーティング❸フィルター枠フィルターを購入する際には、これらにもこだわってみてください。❶フィルターガラスガラスを精密研磨することで面精度の高い平行平面な材料を使用します。平面性が崩れていたり、平行度が出ていない場合、画質の劣化に繋がってしまいます。また、ガラスの質も重要で、低品質品ではフロートガラス(未研磨ガラス)と呼ばれる、窓ガラス等に使われる建材の品質の物が多く、画質に悪影響を及ぼす恐れがあります。光学製品に適したガラスを使用したものは画質への悪影響が極めて少なくなります。❷コーティングガラスと空気の境目では光の反射が起こり、透過光が減少します。コーティングを施していないガラスではガラスの片面で約5%、フィルターの場合はガラスの表裏がありますので、10%程度も光量が減少してしまいます。また、光の影響で写真にゴーストイメージやフレアといった悪影響を及ぼすことがあります。特に逆光での撮影では悪影響が顕著に現れることがあります。この問題を避けるため、ガラスの表面に施すのがコーティングです。モノコートといわれる単層のコートを施した場合、2~3%の光量減少に抑えることができます。一般的な保護フィルターに施されるマルチコート(多層コーティング)では片面反射が1%、さらに上位のコーティングを施したものは片面0.5%以下、0.3%以下といったレベルまで高められています。これにより画質の劣化は格段に減少します。❸フィルター枠単にフィルター枠の厚さのみではなく、レンズに取り付けるためのネジの精度が良く、スムーズに取り付け・取り外しが出来るか、またレンズにフィルターガラスが接触しないよう考慮されているかなどもフィルター枠の重要なポイントです。レンズに常用する「保護フィルター」は使用率が高く、常に付けた状態で撮影することが多いので、品質にもこだわりたいものです。保護フィルターは、レンズの画質に悪影響が無く、レンズを守り、さらにレンズの日々の手入れにレンズそのものを拭くのではなく、保護フィルターを拭くことでメンテナンスが容易になるという意味でも有用です。せっかくのレンズの「写り」を犠牲にすることが無いよう、上記のようなポイントを意識して保護フィルターを選びましょう。保護フィルターは「プロテクトフィルター」といった紫外線カット効果のないものと、「UVフィルター」という紫外線カット効果のあるもの、さらに「スカイライト」といった晴天下の色のバランスを取るためにわずかなピンク色をしたものなどがあります。フィルターはレンズ保護以外に、用途別にさまざまなものが発売されていますが、良い画質を得るためには、上記に述べたように、良い品質のフィルターを選ぶことが大切です。この低品質品ではフィルターが黄色味を帯びているため、色彩を鮮やかに表現するC-PLフィルターの役割に支障があります。全体に黄色味掛かった(色かぶり)画像になることが懸念されます。この低品質のフィルター現品を見ると、偏光膜の色が黄色味掛かっており、撮影するとその影響があり、右の写真のように黄色味の色かぶり写真となります。検査項目低品質C-PLフィルター国内標準レベル C-PLフィルターC-PL(サーキュラーPL)フィルター実写による色味の比較フィルター選びのポイント

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